Ella

エラ

🧡サンセットケア組🧡

エラがサンサンにやってきたのは、2024年の7月のことでした。
私たちが日頃からお世話になっている動物病院から連絡が来たのがきっかけです。

エラはその病院で、なんと7ヶ月もお世話になっていました。
ひどく毛が絡まり、体にはウジ虫まで……そんな過酷な状態で路上にいたところを、病院のスタッフが見つけてくれたのです。

丁寧に毛を整え、やさしく看病し、たくさんの愛情をかけてくれた病院の皆さん。
でもエラには、高齢であることと、慢性的な下痢という健康上の理由があり、里親さんが見つかるのは難しいと判断し、私の元へ連絡が来ました。

エラは天使のような存在です。多くを望まず、でもそばにいてくれるだけで、まるで空気ごと包み込むようなやわらかい優しさを持っている子です。

なでられるのが大好きで、ブラッシングされると幸せそうに目を細めます。
大きくて美しいグリーンの瞳と、ちょこんとしたかわいい唇。そんな彼女がそっとたたずむだけで、その場の空気がふわっと穏やかになります。

おっとりした性格の猫、特にブランシュの近くで寝ている姿を見かけることが多いです。ふわっと現れて、そっと癒してくれる。猫の姿をした天使──それがエラです。

エラは、サンサンの「サンセットケア」プログラムの一員です。
サンセットケアは、
病気や老いを抱える猫たちが、残された時間を愛と安心の中で過ごせるようにと始めた取り組みです。
「長く生かすこと」よりも、「その子らしく、穏やかに、夕暮れのような時間を大切にしてほしい」。
そんな想いが込められています。

一日の終わりに空がやさしく染まるように、エラの時間が、美しく、暖かくありますように。
サンサンは、そう願いながら彼女と日々を過ごしています。