Joyce

ジョイス

🧡サンセットケア組🧡

ジョイスがサンサンにやってきたのは、2024年4月のこと。
地域の保健所から引き取られた彼女は、まるで生きる気力をすべて使い果たしたような状態でした。骨が浮き出るほど痩せこけ、脱水症状で、立ち上がるのもやっと。頭を持ち上げることすらできないほど衰弱していて──正直に言って、その夜を乗り越えられるかどうかも分からないほどでした。

翌日すぐに病院へ連れて行き、ステージ4の腎不全であることが判明。最初はまったくごはんに興味を示さず、シリンジでのご飯と毎日の輸液で、少しずつ元気を取り戻していきました。

ジョイスは、間違いなくサンサンで一番気の強い猫。
他の猫に対しては「近寄らないで」と強気のシャーで一撃。
人間のナデナデ?「そこまで許してないけど、まぁ、アゴなら…気分によってはね」といった感じ。
でも、そんな彼女がごはんの時間になると小さく「ピッ」と鳴く姿が、たまらなく愛おしいのです。

お気に入りの猫用ハウスに籠って一日中お昼寝するのが日課。彼女にとって理想的な“静寂”とはちょっと違うかもしれない、賑やかなサンクチュアリ。でも、ここでの暮らしを、ジョイスなりに受け入れてくれているのがわかります。

ジョイスは、私たちの「サンセットケア」プログラムの一員です。
サンセットケアは、病気や高齢などで人生の最終章にいる猫たちが、心穏やかに、自分らしく過ごせるようにと始まった取り組み。
私たちの願いは、長く生きてもらうことではなく、
美しい夕暮れのような時間を一緒に重ねていくこと。
一日の終わりが近づく、けれどまだ太陽が温かく空を染めている、あの優しい時間──
ジョイスのように、誰にも媚びず、でも今を大切に生きる猫たちに、そんなひとときを贈りたいと私たちは思っています。